PIN 12号4月 目次
県からのお知らせ
様々な地域づくりのあり方を考える1
  「挑戦者」を生み・育てる岩手を
  久保 均氏
岩手の市民活動についてのコラム
  楽しみながらあるものをつないでいこう
  吉成信夫氏
様々な地域づくりのあり方を考える2 
  経営コンサルタントから見たNPO法人の現状
  岩城達夫氏
NPO法人からの一言メッセージ
特集 実践!
  イベント開催の技
身近なことからはじめよう
  今回は、これまでの災害ボランティアに関する事項を整理してみます
様々な地域づくりのあり方を考える3
  地域に根ざした社会的起業家の時代
  宇部眞一氏


県からのお知らせ 
いわて県民情報交流センター(愛称:アイーナ)オープン   
県民活動交流センターが動き出します!
アイーナの5、6階県民活動交流センターは、NPO・ボランティア活動、国際交流活動、環境学習活動、青少年活動、男女共同参画活動、高齢者活動、子育て支援など、様々な分野で活動をしている人たち、これから活動しようとしている人たちのための拠点になります。センターでは、スタッフが相談対応やコーディネートを行い、皆さまの活動を総合的に支援します。

目的にあわせてどんどんご活用ください
◎ NPOってよく聞くけどどんな活動をしているのか知りたい。 
  ⇒団体の活動情報資料、関係図書の閲覧ができます。

◎ 何か始めてみたいけれど、どこか紹介してもらえないかしら?自分たちの活動について相談したい。
  ⇒専門のコーディネーターが相談にのります。

◎ 自分たちの活動をみんなに知らせたい。
  ⇒チラシ・パンフレットの配置や展示コーナーでのPR等ができます。
  また、作業室の印刷機・コピー機(有料)などを利用し、チラシの印刷、
  資料の作成ができます。

◎ 気軽に会議や打ち合わせができる場所や、イベントや講座を開催できる場所があったらいいな。
  ⇒予約不要でいつでも使えるミーティングスペース、事前予約で専用に
  使える団体活動室があります。

◎ ちょっとした事務所機能がほしい!
  ⇒書類や物品をしまっておけるロッカー(有料)や団体専用私書箱として
  活用できるレターケース(無料)があります。
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このほか、活動を応援する様々な講座・研修・イベントが開催される予定です。
また、アイーナには、この他会議室・和室・調理実習室、スタジオなど有料で使用可能な施設もあります。活動内容のニーズに合わせてご利用下さい。
詳しくは、アイーナホームページをご覧下さい。
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センターには、さまざまな目的をもつ施設があります。さまざまな分野の活動に触れ、そして活動する人たちに出会い、交流することができる、「出会いと交流の場」となり、アイーナを中心として、県内各地に活動の輪が広がるよう運営していきます。

【開館日】年末年始(12/29〜1/3)及び施設一斉点検日を除く毎日
【構成施設及び業務時間】
NPO活動交流センター、国際交流センター、青少年活動交流センター、男女共同参画センター、高齢者活動交流プラザ、アイーナホール…9:00〜21:30
環境学習交流センター…9:00〜19:00
子育てサポートセンター…9:00〜17:30


※ 岩手県公会堂のいわてNPOサポートルームは平成18年3月31日をもって終了しますが、平成18年4月1日よりアイーナ6階に、NPO活動交流センターとしてパワーアップして生まれ変わります。
お問い合わせ先
岩手県地域振興部地域企画室
(4月1日よりNPO・国際課)
岩手県盛岡市内丸10番1号
TEL:019(629)5198
AB0001@pref.iwate.jp
(4月1日よりFA0042@pref.iwate.jp)




アイーナ平面図
(画像クリックで拡大図をご覧いただけます。)


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様々な地域づくりのあり方を考える1
「挑戦者」を生み・育てる岩手を
■コミュニティ・ビジネスを通して見えた岩手の現状
私は、平成15年8月から、いわてコミュニティ・ビジネスセンターのコーディネーターとして、岩手県内各地を回らせていただいています。その間、いろいろな方に支援していただきながら、ほとんどの地方振興局管内で、コミュニティ・ビジネス(以下CB)の勉強会を、開催することができました。おかげさまで、CBも県内にだいぶ浸透してきたように思います。

県内を回っている時、私はどの地域においても、地域の活性化や社会貢献を願い、CBに取り組んでいる「挑戦者」に会うことができました。私は一個人として、挑戦者の皆さんに会うと、とても勇気づけられ、生きる力が湧いてきます。一方で寂しい現実も見てきました。CBの理想としては、挑戦者の熱意が野火のように地域に広がり、結果として「地域全体が挑戦者」になることが期待されます。しかし多くの地域では、残念ながらそこに至っていません。すなわち挑戦者(小さなグループも含む)は、点としてしか存在していない場合がほとんどです。

私は、時々横浜や東京で仕事をしますが、その時に感じる事は、「人の集積」がもたらすパワーです。弊害も有りますが(物事は全てプラスマイナス両方ですね)、人が活発になる為には、人の集積が必要だと思い知らされます。皆さんは、自分の意志というよりも、人の集積がもたらすエネルギーで動かされた経験は無いでしょうか。一方、岩手県の挑戦者たちのエネルギーの源は、主に自分自身の「思い」です。これでは、よほど強い思いでない限り、早晩疲れてくるのではないでしょうか。折角の挑戦者を見殺しにしては地域の損失です。岩手の人はのんびりしている、とか危機意識に乏しい、とはよく言われることですが、これは持って生まれたというより、社会的な環境の影響の方が大きいと思います。

■挑戦者とともに活気のある地域に!
それでは、岩手県で、人の集積のエネルギーを利用する為には、どうしたらよいでしょうか。一カ所に集まり、刺激し合うのが一番ですが、CBは地域在っての事業ですから、現実的ではありません。そこで提案したいのですが、県内で、挑戦者によるネットワークを作れないものでしょうか。挑戦者同士が、インターネットや交流会などを利用しながら繋がっていけば、お互い励みになり、また情報も入手でき、自身と地域の元気に役立つ気がします。

岩手では相変わらず若者の流出が続いています。岩手にいたくても受け皿がない為ですが、私は、若い人が県外を見る事はとても大切な事だと思いますので、流出を肯定的にとらえています。問題は、出て行く事よりも、戻ってこない事だと思います。もし岩手に挑戦者が大勢いて、地域も活気づいていたら、どうでしょうか。県外でいろいろな能力を身につけた人材が、戻って来てくれるのではないでしょうか。

■子どもに生きる力を!そして次代を担う挑戦者に・・・
ところで、私が理事長を仰せつかっているNPO法人未来図書館は、岩手県の子どもが、将来に夢を持って歩んで行ける環境の実現を目指し、設立されました。社会や人間の多様性、現実の社会はどういうものかを、仕事というものを通して知ってもらうような活動をしています。なぜならば「子どもは社会を知る事により、具体的な目標を設定でき、それが生きる力に繋がる」と考えるからです。

未来図書館の目的を達成するため、今年度は、経済産業省から受託した「地域自立・民間活用型キャリア教育プログラム」、岩手県から受託した「次代の担い手ビジネス・チャレンジ事業」、自主事業である「国際キャリア教育事業」などを実施しています。こうした活動を通じて感じる事は、仕事をしている大人と子どもたちが、身近に接する事の大切さです。「地域自立・民間活用型キャリア教育プログラム」では、滝沢村柳沢小・中学校の生徒の皆さんに、テレビのCM制作を体験してもらいました。このときに講師をお願いしたプロのカメラマンが仕事に取り組む姿は、仕事の厳しさ楽しさを強く印象づけたようです。子どもたちが、県内各地で頑張っている挑戦者の方達と触れ合える機会を作っていけば、子どもたちは必ず何かを感じとるはずです。そしてその中から次代の岩手を担う挑戦者が現れてくる気がします。

今後未来図書館は、子どもが未来の夢をイメージできる能力を身につけることができるようなプログラムを研究し、提供していきたいと考えています。岩手県から多くの挑戦者が生まれ、そして育っていく・・・そういった地域の土壌作りを今後も続けて行きたいと思います。

NPO法人未来図書館
久保 均氏

岩手県二戸郡一戸町出身。1971年日立製作所入社。1988年ローラン(株)設立。2003年いわてコミュニティ・ビジネスセンター コーディネーター就任。2004年NPO法人未来図書館設立。理事長就任。

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岩手の市民活動についてのコラム
楽しみながらあるものをつないでいこう
■宮澤賢治が生まれ育ったこの土地で
東京生まれの私がビジネスマンとしての仕事を辞めて岩手に家族と移住したのは、今から10年前のこと。宮澤賢治が生まれ育ったこの地で、堅苦しくお勉強するのではなく、学校ではない遊びとまなびの「がっこう」をひらくことを夢見て、誰も知らない岩手にやってきた。

東山町(現一関市)で「石と賢治のミュージアム」の基本構想から開館までの企画運営すべてに携わり、ハードとソフトづくりに3年間心血を注いだ。その後、葛巻町で偶然出会った廃校が森と風のがっこうの開校へとつながった。また、県立児童館いわて子どもの森の誕生にも立ち会うことができた。どの施設づくりも、何もない混沌としたところから産みの苦しみをいっぱい抱えながら、多くの方々と創りあげてきた。

誕生に立ち会えた3つの施設のどれもが、岩手の次の世代を担う子どもたちの未来のために構想されたものであることは、私には偶然とは思えない。必然と偶然の重なる中で、「縁起」としか言えない不思議なひとの縁が紡いだものがたりがある。

■子どもたちの居場所創りに身を投じたい
田舎を知らない私が、使われなくなった築百年の農家をお借りして地域で生活を始めて気づいたことがある。それは地域の良いと思える点、見直すべきと思える点についてである。まず、良いところから述べてみたい。

移住して数ヶ月後、見に行った娘の小学校の運動会でのこと。PTA対抗リレーが始まるまさにそのとき、防災無線が大音量で緊急放送を伝えた。その瞬間、見物席からばらばらとお父さんたちが駆け出した。と思う間もなく、あっという間に校門を全力疾走で駆け抜けて行ってしまった。それこそ風のように。お父さんたちは地域の消防団のメンバーだったのだ。それを見ていた女房が「かっこいい」と誰に言うともなく呟いた。私もかっこいいと思った。なぜか。無意識の深いところで、彼らのお父さんたちから引き継いできたもの、ここを守るのは俺たちの役目だという自負のようなものが、駆け抜けて行く彼らの背中からオーラのように放たれている感じがしたからである。

「背中が語る」としかいいようのないものがここにはあるのだ。本当に大事なことは言葉の背後にある。よく耳を澄ませて、よく凝視しないと。教育は言葉や知識だけがものを言うわけではないという当たり前のことをこのときあらためて私は心に刻んだように思う。からだを通した体験の中から掴んだ知恵、身体知とでも呼ぶべきもの。身振り、手振りの身体所作、言葉のイントネーション、間合いの中に、本当の文化の豊かな地下水脈は息づいているのだと思った。

そしてもうひとつ、これはどうかと思うという方。やはり夕食時の娘との会話。「お父さん、あのさあ」訝しげな娘の表情に私も尋ねる。「どうしたの?」。よく聞いてみると、娘のクラスメートが学校帰りに寄り道をしない。川にも森にも神社にも行かない。「ただ真っ直ぐ帰るのはなぜなの?」と不可思議そうに聞いてきた。「友達の家に遊びに行ったらテレビゲームばかりやっているし、クラスの中で一番田んぼや畑に詳しいのは私みたいなの」と言う。娘の話を聞きながら内心えっ?と思った。

宮沢賢治の童話世界に慣れ親しんできた私は、岩手の豊かな自然の中で野で遊ぶ子どもたちばかりを勝手に空想して来た。でもそういえば、ファッションも都会と変わらないし、訛りもそんなにない。都会の子どもたちよりもかえって自然の中で遊んでいないのではないかと思えてきた。だとしたら大問題だと思った。自然の中に入れないということは、子どもたちが自由に心やからだを解き放つことのできる場所がないということだからだ。おとなの男たちには赤提灯という逃げ場がある。普段言えないグチもここでなら吐き出せる。女たちにも、井戸端会議ができる喫茶店という味方がある。でも、ここ岩手には、子どもたちが、学校でも家庭でもない、自由にくつろげる居場所は本当にあるのだろうかと思った。この10年間、私の一番根底にある疑問、問題意識はここにある。だったら、具体的に創り出すことに自分の身を投じたいと思った。

■原点は「自分たちが楽しいからやっている」こと
森と風のがっこうは、標高700mの山懐、最後の5級僻地校だったところ。12世帯の集落の真ん中にある小さな木造校舎を舞台に、5年前にスタートした。当時、設立趣旨として記したことは以下の通りである。

「全国に使われないまま放置されている、多くの小中学校の廃校には、過去に関わった人々の汗や、涙や、喜びが染み付いています。新たな施設を作ることの方が簡単なことかもしれませんが、これを再利用して新たな広場を創り出すことは、お金の問題ではなくて、何かもっと大切な人々の過去の記憶の流れの上に、これからの子どもたちの未来をひらくことにつながるような気がします。(後略)」

廃校という言葉は、廃施設と呼び変えてもよい。廃病院でも、廃ホテルでもよいのだ。要は、地域の人々とともに、そこにあるもの(資源)を利用して活かす知恵と工夫を凝らすそのプロセスにこそ意味があるのだ。

私たちにも出来ることを手足を動かしてともかくやること、小規模な太陽光、風力発電の導入から、手づくりのコンポストトイレや排水浄化、風呂づくり、アースオーブン、巨大ソーラークッカーなど、次々とスタッフや多くのボランティアの力で何もないところから自作してきた。昨春には廃材を用いた環境共生建築「カフェ森風」(土日のみ。雪解けから営業開始)もオープン。集落の方に手作りケーキづくりをお願いしたり、採ってきていただいた季節の山菜やキノコが並んだり。カフェは地域のひとと外から来たひとをつなぐもうひとつのメデイア装置の役割を果たし、文字通りのコミュニティカフェとなった。子どもの居場所づくりだけでなく、自然エネルギー利用、有機農園づくり、ニワトリの飼育など生活総体がテーマとして、生命が循環していく様を見てもらえるカタチがようやく見えてきた。

「もったいない・ありがたい・おかげさま」という私たちの活動理念はこのような中で育んできたものだ。「楽しいことにしかひとは集まらない」は私たちがやってきたことの中からまなんだ実感だ。能書きも意味も理想もある。でも、それだけでは始まらない何かがある。ユーモアで包む温かさも葛巻のおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんに学んだところが大きい。

行政が地域づくりの主体としてのNPOにかける期待は増している。それは望むところだけれど、楽しみながらユーモアで包みながら、何のためにやっているのかという軸足だけは地に足をつけながら進みたいと思う。だって、誰のためでもなく、自分たちが楽しいからやっていることこそが原点なのだから。
森と風のがっこう
代表/吉成信夫

東京都出身。広報コンサルタント会社役員等を経て、1996年家族と岩手に移住。「石と賢治のミュージアム」研究専門員を経て、葛巻町の協力を得て廃校を利用したエコスクール「森と風のがっこう」を開校。2003年より、県立児童館「いわて子どもの森」館長。

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様々な地域づくりのあり方を考える2
経営コンサルタントから見たNPO法人の現状
「経営」とは経営資源を組織に投入し付加価値をつけて成果を提供することと理解している。今回は、相談の多い「NPO法人の儲かる体質への変換」を考えてみたい。 まず、当然のことながら特定非営利活動法人と言えども収益が無くては、事業の運営は無理だ。

事業運営とはPlan → Do → See(Check,Action)のビジネスサイクルの繰り返しである。即ち、環境分析(事業計画) → 人・モノ・カネ・情報の投入と管理 → サービスの提供 → 決算・評価 → 報告 → 次期計画 のサイクルだ。

■ NPOと社会環境の変化
日本は70年代の高度経済成長と大量消費時代を経て、公害・安全性などの社会問題が対象となり各種市民運動が立ち上がった。「企業」と「社会」は対立構造であり、この頃の企業財団は社会への利益還元と共に贖罪の意味で捉えられていた。

一転85年度以降になると、モノあふれ現象による競争激化から、企業のイメージアップ戦略が必要となり社会貢献活動が企業戦略の中核と捉えられるようになる。95年には私の地元神戸にて阪神大震災が起こり、NPO法の成立と共にボランティア元年と呼ばれ、企業とNPO+市民など、新たなネットワーク構築が進んだ。

他方、行政と言えば、昔からの「公共活動」イコール「行政の仕事」に行き詰まりが見え出した。行政依存意識の下に些細(膨大)な業務を背負い、その活動領域を広げてきた結果、組織の肥大化と硬直化を招いて非効率な団体となり得た。また財政面でも大きなお荷物を背負うことになった。

そんな流れの中、規制緩和政策の元、NPOは行政組織に足らなかった地域コミュニティーを背景に、新しい公的サービスを供給する重要な組織と期待されている。

■運用資金
日本NPOセンターの統計によれば、NPO法人の財政規模は、500万円未満が全体の61.9%と圧倒的に多く、次に1000万円以上〜3000万円未満が16.1%、500万円以上1000万円未満が13.3%となっている。

法人を運用する収入基盤を考えれば非常に不安定な状態が推し量れる。問題の一因として収益構造を確立せずに法人化を急いでしまった団体や、敢えて法人化する必要の無い団体までもが法人資格を申請している現状もあるのだろうが、団体として今後の活動存続を考えるのであれば、収益面の構築を図らなければならない。

■強みを持った団体となるために
00年に施行された地方分権一括法は、住民にとって身近な行政は、できる限り地方が行うこととし、国が地方公共団体の自主性と自立性を十分に確保することとされている。このことは地方の独自性を重視することによって地域課題の重要性を認識すると共に専門家の必要性と地域コミュニケーションの整備が必要となってくる。

このような流れの中、行政側では積極的にNPOの支援や協働に向けた取り組みを行ってはいるが補助・助成や委託業務などが中心であり、これらの形態では行政依存度が高く自立性を失いがちになる問題点がある。発注側の行政担当者が本当のNPOの特性を理解していないと「経費削減」目的での安易な下請け業者となりうる可能性が指摘される。出来うるならば「共催・共同運営」の対等な立場での協働が望ましいだろう。その為にもスタッフの専門化教育は優先課題のひとつであると考える。

■ 中長期戦略策定の必要性
NPOの活動はそれ自体が公共性を帯びてはいるが、日常的業務は社会に対してサービスを効果的に提供していかなければならない。しかし、NPO運営には以下のような点で営利企業にない難しさがある。
 1、NPOの目的はミッションの達成であって利潤の獲得ではない。
 2、ビジネスと言う用語に対するアレルギーがある。ビジネスとは継続して事業
   を実施することであるからミッションとビジネスは矛盾するわけではないが、
   そのことを理解しないリーダーが多い。
 3、VoiceとServiceのバランスが難しい。公共性と日常業務。
 4、ボランティアの参加があるのが一般的であるから、有給職員とのバランスが
   難しい。
 5、事業収入だけでは経営が成り立たないため、会費、寄付金、助成金を集
   めなければならない。これをFund Raisingと言い、NPO経営のポイントであ
   る。
 6、組織がフラットであり、スタッフ参加型経営、場合によっては顧客参加型経
   営が行われる。

このように、NPOは助成金や委託事業に依存することが多いので、個別のプロジェクト決定策定は重要であり、ある程度理解できていると思われるが、組織全体の長期戦略を持ち得ていない事がNPO組織の特徴(弱点)であると言える。

NPO法の特長としてディスクロージャーとパブリック・リレイションズ(情報公開と広報)があり、インターネットを利用した情報公開は大きな意味を持つ。積極的な情報公開により、事業収入のひとつの柱である賛同者の募集や寄付金の受け皿を作る戦略的利用と情報公開(事業報告等)の際に、中長期戦略(専門特性)を公開し組織存在感を出す必要が有ると考える。強み(専門特性)が無ければ中長期目標は策定できないはずである。

大阪NPOセンター認定コンサルタント
岩城達夫氏

1994年(有)岩城真珠設立。代表取締役就任。2003年ITY株式会社代表取締役就任。数多くのITベンチャーの顧問を務めるなど、ベンチャー企業の育成にも力を入れている。財団法人みやぎ産業振興機構 新事業支援ビジネスプロデューサーNPO法人大阪NPOセンター認定コンサルタント。


NPO法人からの一言メッセージ
平成17年度法人認証されたNPO法人の皆さんより、届けられたメッセージをご紹介します。

NPO法人アイディング
昨年は団体内での勉強会、他団体の活動への企画・運営協力や交流、試みとして企業との協働・他NPO法人とのネットワークにて自主事業を行ってきました。

今年度は昨年度の自主事業の活動を更に進めるべく企業・行政への企画の提案及び実践、指定管理者として盛岡市中高年齢者勤労福祉センターの運営を通じて中高年齢層を中心とした地域活動のバックアップを行いたいと思います。
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代表/藤枝薫
認証/平成17年4月
盛岡市仙北三丁目21番6号
TEL 019(635)4416


NPO法人奥州・いわてNPOネット
胆江地域及びその周辺のNPOやボランティア活動支援を役割とし、NPO活動における幅広い情報支援、コーディネート、マネージメント支援、ネットワーキング支援、そして調査研究・政策提言といった事業を行います。
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代表/佐藤英夫
認証/平成17年12月
水沢市真城字苅又15番地1
TEL 0197(22)5789


NPO法人みやこNPOサポートセンター
民設民営で「岩手県沿岸NPOサポートルーム」を開設し、NPO・地域団体の地域活動・交流の拠点として運営事業をすすめています。情報収集・発信についても、今後さらに力をそそいでいきたいと思っています。

さらに、地域活性化プログラムとしての昔遊びの伝承についても、地域の小学生等と一緒に活動を展開し、多彩なものにしていきたいと考えています。また、行政・企業との協働事業についても積極的に参加し取り組んでいきたいと思います。
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代表/吉田文彦
認証/平成17年10月
宮古市磯鶏一丁目6‐4
TEL 0193(63)6244

NPO法人浄法寺サポートセンター
公共団体並びに各種団体と協働し、地域の資源を活用し、地域社会の活性化に関する事業を行い、広く公益に寄与することを目的として活動をしております。今後は福祉・介護輸送、訪問看護等を含め住民の多様なニーズに応えていける事業に取り組んでいきます。ご支援ご指導のほどよろしくお願いします。

事務局 小笠原 忠
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代表/小田島正幸
認証/平成17年10月
二戸市浄法寺町下前田46番地1
TEL 0195(38)2024


NPO法人みたけ弥勒クラブ
知的障害者が地域の中で自分らしく心豊かに生活をしていくために必要となる「地域生活力」を高めていくことを目指し、4月から知的障害者デイサービス事業(週7日)をスタートいたします。その他にも、イブニングサービス等豊富な余暇支援サービスを用意しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。スタッフ一同、心からお待ちしております。
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代表/吉岡美佐子
認証/平成17年10月
盛岡市みたけ5丁目17番17号
TEL 019(601)1160


NPO法人介護支援センター
平成17年10月に認証を受けました。当法人に課せられた事業をかみしめながら準備、手続きと四苦八苦の状態です。

高齢になっても、住み慣れた場所で活き活きと暮らし続けたいと願う、介護に理解ある「やさしい町づくり」をめざし、タクシー事業所による福祉タクシーが連携し、移動制約者への共同予約受付など、高齢者等の移動ニーズにきめ細かく対応していきます。
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代表/浅野貫司
認証/平成17年10月
花巻市高木第15地割88番地8
TEL 0198(23)1237


特集 実践!
イベント開催の技 PART6
今回は、イベントを成功させるためのポイントをご紹介します。より多くの人が参加でき、
みんなで楽しめる市民イベントをどんどん開催しましょう。

これだけはおさえよう!
■ イベントを成功させるためのポイント7


1.社会が求めていることをカタチにする!
 自分の「やりたい!」という気持ちはもちろん大切。でも、より多くの人の心に伝わ
 るには、社会が求めていることを探ってみることも大切。

2.スケジュールチェック!
 おおまかな企画書を作ったら、各方面の人とスケジュール調整。出演(講演)する
 人はもちろん、スタッフの手配も忘れずに、日程をしっかり確認しよう。

3.予算立ては細やかに!
 出演者・スタッフのお弁当代や飲み物代、駐車料金、記録用の録音機材やメ
 ディア、著作権使用料、保険料などチリも積もれば山。できるだけ具体的に予算
 を立てよう。

4.どんどん宣伝!
 テレビ、ラジオ、新聞、広報、インターネット・・・と、宣伝媒体は様々(※ぱいん8
 号チラシのチカラ参照)。宣伝をしながら、協力者を増やすつもりでPR!メディア
 に取り上げて欲しいときは、わかりやすい表現で、担当者の心をつかむ工夫も大
 切。

5.現地チェック!
 事前に現地での打ち合わせをしよう。思わぬ問題点が見えてくることもあります。
 スタッフ同士の顔合わせもでき、当日の運営もスムーズに。

6.当日は参加してくれた人が主役!
 参加者が会場に来た瞬間から、イベントはスタート!駐車場への誘導、受け付
 け対応もしっかりと。「心配り」を忘れずに運営しよう。

7.次への一歩
 参加者の声は、「これから」のための貴重なデータ。アンケートなどを積極的に実
 施しよう!次回開催の際の広報にも役立たせて。

今すぐ使える!
イベント成功のためのPRポイント


@他の団体から、「イベント当日の配布資料に、チラシを入れてください」と言われたら?
 ⇒「当日チラシ同封希望の方は、○
  日○時に○○集合」と告知して、
  みんなで一気に配布資料をつくっ
  ちゃおう!
-----------------------------
AメディアにPRする際のコツは?
 ⇒担当者の目に留まることが掲載へ
  の第一歩。
  FAXやはがきは「○○新聞○○
  欄 ご担当者様宛て」と明記して
  送ろう。
-----------------------------
Bチラシのサイズは?
 ⇒配布先での設置場所を考えてサ
  イズを決めよう。
  店のレジ横においてもらう場合など、
  ポストカードサイズが最適。


イベント成功のために大切なこと
■テーマをもって心に残るイベントを・・・
どんな種類のイベントであろうと、成功の秘訣はたったひとつです。それは「テーマ」。
テーマとは、イベントの目的とは違うものです。「より多くの人たちにクラシック音楽の
よさを理解してほしい」という目的でイベントをするとします。そのときに例えば「ラブ!
」というテーマを設定してみるのです。曲目、設営、チラシ、グッズ、スタッフの服装な
ど、イベントのすべてを「ラブ!」にまつわるものにしていきます。参加者は、「ラブ!
」というテーマを「クラシック音楽」を通じて体感します。そうすることで、そのイベントは
他人事ではなく、参加した人自身の体験として心の中に残るのです。「ラブ!」なク
ラシック音楽会!参加してみたくなりませんか?


吉川由美氏
仙台市生まれ。プロデューサー、演出家。コンサート・演劇・ダンスなどのプロデュースから脚本・演出、各地の文化ホールの運営を手がけている。2005年には、スポレクいわて2005の開閉会式の演出も行うなど、東北各地で市民参加のプロジェクトに多数関わる。

最強!
■ イベント必需品ベスト7!
1.スタッフ章
2.誘導ポスター
3.飲み物
4.延長コード
ひと目でスタッフだとわかる名札、腕章などをそろえておこう。 会場がわかりにくい場合は、誘導するポスターを要所に配置しよう。できればA3程度の大きなもので。 水、お茶など誰でも飲めるものがあると便利。講演の際には、壇上に講演者用の水とおしぼりの用意も忘れずに。 電気器具を使用する場合、電源に届かない!ということがよくあります。長めの延長コードを用意しよう。電源タップもあると便利。


5.ゴミ袋
6.謝金、交通費
などの領収書
7.会場図
 
 
ゴミはきちんと分別して、持ち帰れるようにしよう。
※仕出しを頼む場合は、仕出屋に空容器の回収をしてもらえるか確認しよう。
当日支払いが発生する場合、事前に領収書の準備を。支払う相手に印鑑を持ってきてもらうようお願いすることも忘れずに。 打ち合わせの際は、会場図を用意しよう。スタッフ全員が、会場全体のイメージを確認しながら準備を進めることが大切。  




▲「アートイベント制作実践プロジェクト」
での1場面。会場図を囲んでの打ち合わ
せの様子

▲講座の最後はイベント本番。前日から
会場設営を行います
※ アートイベント制作実践プロジェクト
財団法人仙台市市民文化事業団主催)
イベント企画のつくり方から、イベントを開催するまでの効果的な進め方を学ぶ講座です。
プロデューサー吉川由美氏の指導のもと、受講生の手で様々な市民イベントを行っています。


身近なことからはじめよう
今回は、これまでの災害ボランティアに関する事項を整理してみます。
■災害ボランティア活動とは
被災地の住民を支援する福祉救援という視点で、被災地域の一日も早い復旧・復興のため、専門知識や経験、そして年齢や性別に関係なく参加できるのが、災害ボランティアです。

■災害ボランティアセンター
「阪神・淡路大震災」が発生した平成7年は「ボランティア元年」と呼ばれ、被災地には全国から延べ百数十万のボランティアが駆けつけました。しかし、当時は集結したボランティアをコーディネートする仕組みがなかったため、その労力を発揮する機能が効率的に働かず、現場が混乱した経緯がありました。それを教訓に、その後、社会福祉協議会や民間福祉団体が一体となり、時間をかけて「災害ボランティアセンター」の設置・運営の仕組みを検討し、今では災害時には迅速にセンターを設置し、機能するノウハウを保持するようになりました。

最近では、新潟県中越地震など、大規模災害の場合の災害ボランティアセンターの運営は、自治体の対策本部と連携し、社会福祉協議会、日本赤十字、ボランティア団体、NPO法人など協働型で行われるようになってきました。

■被災地でボランティア活動をする場合の基本
事前に現地の情報を収集し、被災地の状況やボランティア募集情報、交通手段の確認等をします。次に現地で何日程度の活動が出来るのかを十分検討し、必要な持ち物、服装の準備をします。災害ボランティアの基本は自己完結型です。現地までの交通費、宿泊する場所(テントや寝袋の持参)を確保し、食料や飲料水(現地で調達も含め)も準備します。

現地入りしたら、まずボランティアセンターで申し込みの受付をおこない、ボランティア証(腕章やネームプレートなど)の発行を受けてから活動します。また、万が一の事故に備えて「ボランティア保険」に加入しておくことも大切です。

被災地では多様な活動ニーズがあるので、それに応える柔軟な姿勢と、資格や特技など自分ができることを正確に伝えておくことで、コーディネーターにとってマッチングが容易になります。

■災害発生に備えて
今後高い確率での発生が予想されている、宮城県沖地震や三陸沿岸の津波に備えた対策や対応が求められていますが、災害に備えるための普段からの心掛けと迅速な避難により、自分自身や家族の安全を守ることが最優先です。また、近隣での安否確認や災害弱者の避難誘導など、地域住民による自主防災活動も重要です。災害はいつ発生するかはわかりませんが、日頃からの近所づきあいや地域のコミュニティづくりが災害時にも大きな役割を果たします。地域住民の一人ひとりが「福祉のまちづくり」を考えていくことが災害弱者への支援にもつながっていきます。

災害ボランティアの力は被災地復興のための大きな支援になります。本県で災害が発生したときに、県外はもとより、県内の多くのボランティアが集結してくれることを期待したいと思います。

災害に関する関心が高まっている今、みなさんも自分ができることは何かを日頃から考えてみませんか。

岩手県社会福祉協議会 
ボランティア・市民活動センター
畠山泰彦さん



様々な地域づくりのあり方を考える3
地域に根ざした社会的起業家の時代
■自立した地域づくりを目指して
地域振興が地域再生という言葉に代わりつつある。それだけ、地方圏のおかれている状況は厳しいということであり、まさに自立した地域づくりが求められているのだが、では、地域に住む我々が現在の状況をどう捉え、どう主体的に未来の創造に関わっていけばいいのか。確かに地域産業は疲弊しており、少子高齢化の中で過疎化が進みコミュニティが形成できなくなるとも言われている。さらに、世界を見ると、資本主義は地域的な戦争を勃発させ続けないと経済的にもたないような崖っぷちにあり、生命の基本であるエコシステムさえも危機的状況にある。夢も希望もないという状況だが、しかし、東洋には知恵のある言葉がある。陰が極まれば陽に転ずると。

■社会的起業家の出現
実際、地域の現場を見ると、泥の中の蓮の花のように、どこか懐かしさを持ちながら新たな装いをまとった考えや動きが生まれている。地産地消とは途上国(という言葉は嫌いだが)の環境破壊の上に構築された安価な大量生産、大量消費、大量廃棄システムに対する一つの挑戦である。グリーンツーリズムなどに代表される「健康院構想」とは、飽食と過剰なストレスが生み出す大量の病人と莫大な医療費負担への処方箋として、温泉や自然の美しさ、安全で美味しい食事などが本来の生物の自己治癒力を増し、健康そのものでいられることを示している。 

こうした、生命論的な思想をバックボーンに持ちながら、地域に根ざし、社会的な分野での活動に生き甲斐や自己実現を見る、社会的起業家(ソーシャルアントレプレナー)と呼ばれる人々の出現に時代の変革者としての姿を感じるのである。

米国のシリコンバレーは世界の成長モデルと言われ、今でも科学技術、産学連携のメッカとしてのサイエンスパークづくり、産業クラスターづくりが日本の産業政策の目標となっている。しかし、シリコンバレーの本質とは、実は先住民であるインディアンの知恵やヒッピー的な自由を求める生き方がベースになっている、アントレプレナーコミュニティなのではないかという気がする。自立した個人の夢や思いを実現させうる「場」或いは人々のネットワークなのである。 

■岩手に見る日本の未来モデル
日本は、特に地方圏のコミュニティはよそ者や出る杭を許さない閉鎖社会と言われてきたが、今の岩手を見ると、例えば宮沢賢治の思想に共鳴する東京人が岩手の廃校を根城にパーマカルチャーを展開したり、いったん都会に出た若者が視野を広げ、経営やマーケティングなどの専門的スキルを持って岩手に戻り、NPOやコミュニティビジネスを実践したり、地域の産業興しを手がけたりしている。地域に共鳴し溶け込んでいるのである。

そこにあるのは、実は、西洋的な知識と東洋的な知恵の融合(止揚)であり、心や精神的充実感を重視する価値観、生命論的な直感と科学技術の融合(共生)なのである。今の行き詰まった日本の未来モデルをこの岩手に見ることが可能なのではないだろうか。

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最新の科学である量子論においては、人々の思いや意識が現実を創造すると説く。般若心経の色即是空とは、この量子論で解き明かされた世界を見抜いていたという仮説もあるが、案外、当たっているのかも知れない。いずれ、我々の思いや行動によってのみ、この社会は変革しうるのであり、複雑系の科学で言うバタフライ効果のように、ほんのすこしの動き、揺らぎや波紋が共鳴し、世界を変えることを信じ、今の一瞬を生き抜くことが自分を成長させ、地域を作っていく上での原点なのであろう。

コミュニティの様々なセクターの中にいる多様、多彩な社会的起業家のパートナーシップによる地域づくりが求められている。地域に根ざした社会的起業家の時代である。
INS街づくり研究会
宇部眞一氏

岩手県久慈市出身。東北大学経済学部経済学科卒業。1978年岩手県庁入庁。現在、岩手県科学技術課総括課長。INS街づくり研究会会長。


地縁団体とNPOの協働でもっと住みよいまちづくりを
フリーライター/吉田聖子

佐々木幸吉氏と、家の新築を手伝う沢崎地区・八木巻集落の住民の皆さん
(昭和40年頃。当時は、集落総出で新築の家の柱上げを行いました)

「PIN(ぱいん)」3月号の発行日が祖父の命日に近いことから、約60年前に観武ヶ原開拓団として入植した後、まちづくりをしてきた祖父を思い出しました。祖父たちが入植したのは敗戦直後で、みんなが団結してまちづくりをするほか、術がなかったそうです。 

また、まちづくりに関連して、祖父の出身地である大迫町にある沢崎地区で、まちづくりに取り組んだ佐々木幸吉さんのエピソードを思い出しました。火災の原因となっていた茅葺き屋根を改善したり、地域の課題を検討する会を開いたという佐々木さんや祖父のように、地縁組織による活動は、NPOなどの組織や考え方がなかった時代、地域にとって欠かせない活動だったと思います。

■自主防災、治安維持地縁団体に期待される役割
私は昨年、岩手県における防災に関する仕事にたずさわりました。そこで、自主防災団体について調べたところ、釜石市の松原町防災会(町内会長が防災会長を兼務)、一関市(旧花泉町)の永井地区自治会、遠野市(旧宮守村)の下郷地区自治会など、県内には地縁団体が母体となった防災組織がたくさんあることを知りました。平成7年に起こった阪神・淡路大震災を思い返すと「いざとなったら、近くの他人かな」と、地縁団体の大切さを考えました。

また、ホームページを検索していて、警察が逮捕した不法家宅侵入者(泥棒)への聞き取り調査で、泥棒をしなかった理由の60パーセントが「通りがかりの人に声をかけられたから」というものも見かけました。地縁団体は、地域の治安維持に関しても重要な役割を果たすことになりそうです。

■地縁団体とNPO 良好な関係のために
平成16年に行われた 内閣府による「コミュニティ再興に向けた協働のあり方に関するアンケート」によると、NPOが地縁型団体と協働で、新たに取り組みたい分野として「まちづくり」の割合が高く、今後の協働事業として地縁型団体と「地域安全」に取り組みたいという割合は非常に高くなっているそうです。

しかし、上記のアンケートによると、地縁型団体と「良好な関係を築いている」というNPOの割合は約4割とのことで「これからは問題意識を共有できる分野で、地縁型組織とNPOの連携や協働を進めることが、地域課題の解消にとって有意義」とありました。

町内会や商店街をはじめとした地縁型団体と、専門性の高いNPOが協働することで、まちはもっと住みよいところになっていくと思います。地縁団体とNPOがそれぞれ良好な関係を模索するのはもちろんですが、地域はみんなのものです。市民ひとり一人がまちづくりに関わることで、本物の住みよいまちが実現するのではないでしょうか。